2014年 季節の食を知る 管理栄養士コラム
みなさんこんにちは!早いもので冬のコラムを書く時期になりました。
これからは冬本番!寒さが気になるこの時期は、温かいお料理が何よりのご馳走ですね!特に、鍋料理やおでんはフーフー言いながら大勢でワイワイ食べるのが最高です。鍋料理やおでんの食材にピッタリの「つみれ」。今回は「つみれ」の原料となる、“いわし”のお話しです。
以前は大衆魚No.1と言われていた「いわし」も最近では高級魚の仲間入りをするような値段になりました。魚好きな人に言わせますと、「たい」より美味しいと言うそうな…
いわしの仲間には、まいわし・うるめいわし・かたくちいわしなどがあり、一般的にいわしと呼ぶものは、まいわしです。丸干しにするのはうるめいわしで、たたみいわしや煮干しにするのはかたくちいわしです。しらす干しは、まいわしやかたくちいわしの稚魚を蒸して乾燥させたものです。そして更に乾燥させたものがちりめんじゃこです。
調理法としては、刺身・干物・煮付け・つみれ・フライなど様々な調理法でおいしくいただけることができます。栄養的には、良質のたんぱく質やドコサヘキサエン酸・エイコサペンタエン酸やビタミンも多く含み、成長期の子供から、お年寄りまで皆さん多いに食べてほしい食材です。
店頭で選ぶときは、肌につやがあり、反り返るようにピンと張って身が締まっているものを、目がイキイキとして、うろこが取れていないものを選びましょう。
調理をする時、匂いが気になる人は生姜や梅干しを入れて煮ると臭みが消え、更に梅干しの酸で骨まで柔らかくなりカルシウムの補給にもなります。いわしはいたみが早いので、購入したらその日に食べるようにしましょう。
今回は「ダイエット」についてです。世の中のダイエットブームは一向に廃ることはなく、・糖質抜きダイエット・1日1食ダイエット・青汁ダイエット・置き換えダイエット…。そしてこれらのダイエットが正しいと医者が奨励していることもあり、実行している人が大勢いるようで、何か管理栄養士としてやるせない気持ちになることがあります。
本来「ダイエット」とは、肥満の人や痩せすぎの人が、正しい食べ方や食習慣を身につけ適正体重に近づけることなのです。ここで、自分の適正体重を算出してみてください。
計算式は、適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
例えば、身長160cmのAさんの適正体重は 1.6×1.6×22=56kg
Aさんの適正体重は56kgという事になります。現在のAさんの体重が61kgだとしたら、6kg多いので減量する必要があります。又逆に50kgだとしたら、食事の量や栄養のバランスが取れているのか、など見直してみることも必要です。大切なことは、ダイエットをするということで、食事の量を急激に減らしたり、食事の回数を減らしたり、1食をジュースや、低カロリーのお粥だけにしてみたり、ハードな運動をして・・・1ヶ月で2kg減らそうなどという事は決してしてはいけないことです。なぜならば、そのような極端な事は長続きしないからです。もし、3年前頃から太ったのであれば3年かけて減量するというぐらいの気持ちで減量してください。大切なことは、なぜ太ってしまったのか~食事や日常生活を振り返ってみることです。
例えば、2kg太ってしまったけど、この2kg太る前の自分がどうだったのか。いわゆる自分が一番健康だった時期を思い出してみましょう。あの頃は余り間食をしなかったとか、朝食を欠かさず食べていたとか、1日3食きちんと食べていたとか、もっと毎日活発に動いていたとか、色々と出てくるでしょう。その他にもメニューに気を使っていたとか、ウォーキングを日課にしていたとか、夜更かしをしなかったなど、たわいのない事のようでも身体には正直に結果がでます。少しずつの積み重ねの違いが出てくるのです。健康だったころのことを思い出して、それが良かったことがわかれば、すこしでも前の良かった時の生活に戻すようにしましょう。このように自分自身に気づかせることがダイエットの第一歩です。
みなさんこんにちは!「和食」が世界無形文化遺産に。2012年12月4日に嬉しいニュースがマスコミを賑わしましたね!ユネスコが、「和食」の食文化が自然を尊重する日本人の心を表現したものであり、伝統的な社会慣習として世代を超えて受け継がれていると評価し、無形文化遺産に登録することを決めました。日本政府は2012年3月に無形文化遺産に登録申請する際に、「和食:日本人の伝統的な食文化」の特徴として、以下の4点を挙げました。
1、多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため各地で地域に根差した多様な食材が用いられている。又、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達している。
2、栄養バランスに優れた健康的な食生活
一汁三菜(1種類の汁物と3種類の菜からなる日本料理の基本的な膳立て)を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われている。また、「うま味」を上手に使うことによって、動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿、肥満防止に役立っている。
3、自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴の一つ。季節の花や葉などで料理を飾り付けたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節を楽しんでいる。
4、年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、正月などの年中行事と密接に関わって育まれてきた。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきた。
このように和食の良さを世界が認めている中で、国内では特に若者の和食離れが進みジャンクフードや、動物性脂肪の多い食事が原因で様々な弊害が出てきています。今一度、日本人にとってどのような食事が良いのか原点に立って見直して欲しいですね!
みなさんこんにちは!今年の冬は例年にない大雪が各地で猛威を振るいましたが、被害はありませんでしたでしょうか?とは言え、もうそこまで春がきていますね!吹く風も少しずつ春らしくなってくることでしょう。
これから里の幸として、菜の花・うど・にら・筍・たらの芽・うど・アスパラガス…
海の幸では、むつ・さより・あおやぎ・きす・かじき・あさり・鰹・太刀魚…
海辺の風物詩として「潮干狩り」 皆さんも楽しかった思い出としてあるのでは?
今回は「あさり」のお話しです。
主産地は、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海・有明海など全国各地で、波打ち際から10m位の海底に、5cm位もぐってすんでいます。あさりは1年中出回っていますが、2~4月は身が太り、旨み成分も増えるので味わい時です。夏頃のあさりは産卵期に入り、生殖巣に毒を持つことがあるので十分に加熱するなど注意して食しましょう。
貝類特有の旨みは、旨み成分のコハク酸を多く含んでいるからです。ですから調理をする時“だし”を必要としません。甘味はグリゴーゲンによるものです。おいしく味わうためには、生きていることが条件です。あさりは砂を含んでいるので調理の前には砂抜きが必要です。砂抜きは、海と同じ2~3%の塩水で、貝殻がすれすれ位の水量につけて砂を吐き出させましょう。
上手な選び方は、殻つきの場合模様がはっきりしていて、口をしっかり閉じているもの。水管を出して勢いよく水を噴出しているものが新鮮です。模様がぼやけ、全体に茶色っぽくなったものは鮮度が落ちている証拠です。
調理するときは、殻どうしをこすり合わせ、汚れやぬめりを落としましょう。そして加熱しすぎると硬くなるので注意しましょう。加熱した時に出る汁には、旨みや栄養がたっぷり含まれていますので、煮汁も一緒に食べられる料理がお勧めです。ぜひ、旬のこの時期に味わってください!