2012年 季節の食を知る 管理栄養士コラム

季節の食を知る:管理栄養士の後藤恭子さんからの季節コラムです。毎月、旬の食材や行事食・トピックスなどをお届けします!

冬:風邪

みなさんこんにちは!月日の経つのは早いもので、もう12月に入りました。今年の夏の暑さは異常でしたね。また集中豪雨や竜巻があちこちで発生し、私達の生活を脅かしましたが、大丈夫でしたか?これから北風ピューピュー冬本番になります。そして風邪ひきさんが多くなります。「風邪は万病のもと」と言われるように、侮っていると様々な病気の原因になります。症状に気づいたら一刻も早く安静にして回復するよう心掛けてくださいね。
【風邪を予防するには】
風邪のウイルスは温度・湿度が低いと長い時間生存します。気温が低下して乾燥する季節に風邪が流行るのはこのためです。ウイルスの侵入や感染から身を守りましょう。
〇マスクの着用、うがい、手洗いを励行してウイルスの体内への侵入を防ぎましょう。
〇睡眠不足は疲労回復を妨げ、抵抗力を弱め風邪を引きやすくするので、充分な睡眠をとりましょう。
〇加湿器や濡れタオルを部屋に置くなどして、適度な湿度を保ち、ウイルスの感染しにくい環境を作りましょう。
〇常に規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけ、ウイルスに対する抵抗力を高めておきましょう。
〇緑黄色野菜、果物、芋類。牛・豚肉・大豆・にんにく・葱など風邪予防に役立つ食品を積極的にとりましょう。
〇少しでも寒気を感じたら、温かい飲み物や料理で体の中から温めましょう。
【風邪にかかりやすい時とは】
疲労が重なった時、気がゆるんだ時、体力が衰えた時などはウイルスに感染しやすくなります。また体を冷やしたり、汗をかいた後薄着でいたり、うたた寝をしたり、食生活が不規則で充分な栄養が摂れないときなどウイルスに対する抵抗力が低下して感染しやすくなります。
今年の冬も元気で、新しい年を健やかに迎えることができますように!


秋:健康寿命

みなさんこんにちは!今回は「健康寿命」について2010年の厚労省の調査では、日本人の平均寿命は男性79歳、女性86歳となっています。我が国の平均寿命は世界トップレベルの長寿大国ですが、長寿者には寝たきりや認知症など元気とはいえない不健康で、日常生活に支障のある人も含まれています。これからも医学の進歩等により延び続けると予想されています。では、「健康寿命」とは、どのような状態をいうのかと言いますと、「一生のうち、健康で支障なく日常の生活を送れる期間」のことです。厚労省は、この期間を初めて算出して「健康寿命」と名付けて公表しました。それによりますと、男性70歳、女性73歳という結果がでました。ということは男性は9年、女性は13年、日常生活に差し障りのある不健康な期間というわけです。両者の差の拡大は、寝たきりや認知症といった元気とはいえない不健康な期間が延びることで支える家族も大変です。健康な期間が長くなれば本人にとって幸福ですし、負担となる介護や医療の費用も抑えることができます。
両者の差を縮めるには、健康寿命を延ばすためにはどのようにすれば良いのかといいますと、1日3食をきちんと食べる事、バランスの摂れた食事を心がける事、塩分を控える事など正しい食習慣を身につけ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症を防ぎましょう。そして適度な運動、充分に休息をとること、禁煙やお酒を控え目にすること、積極的に趣味を持ったり、おしゃべりをするなど、生活習慣を整えることが大切です。「自分の健康は自分で守る」という気持ちで毎日を有意義に過ごしてくださね。


夏:和食

今回は新聞で気になる記事が掲載されていましたので取り上げてみました。
それは、「日本の食卓から和食は消滅?」という記事です。海外ではヘルシーで美しい盛り付けの和食が人気を高めている一方で、日本人の和食離れが進んでいるとの事。
東京ガス都市生活研究所が首都圏の20~80代、約3300人に行った調査では、「味噌汁を毎日1回は飲みたい」という人が、1990年の77%から2011年には65%に減少した。特に20代では半数以下。朝食にご飯とパンのどちらを主に食べているかという設問では、ご飯が1990年の44%から2011年の34%に減少。パンやシリアルは35%から40%に増加したとのこと。1988年から家庭の食卓調査を続けている広告会社が、母親が60年以降に生まれた、子育て家庭を対象に、1週間の食事を写真や日記で記録して行った調査では、スナック菓子やビスケットだけの朝食や昼食、サンドイッチと焼きそばといった「主食重ね」の夕食。食器を使わず、アルミホイルを皿代わりにする。箸をきちんと使えない子供。家族はそれぞれ好きなものをバラバラ時間に食べるー。家族が食卓を囲んで、一汁三菜を基本にした食事をするという理想からはほど遠い。「今、配膳やマナーなども含めた和食はもはや家庭内では途絶えているのではないか」指摘しています。我々食に携わる管理栄養士たちも以前から危惧していることです。
日常の生活が乱れることで、食事も乱れてきます。夜遅くまで起きているから朝起きれない。夕食の時間が遅いので朝食の食欲がわかない。人間の健康の源は朝食にあるのです。朝食をしっかり食べることで体内リズムが整います。小学生が朝礼の時に倒れてしまう、授業中ぼーっとしている、すぐ切れる、いらいらしやすいなど食事の乱れが多いに関係しています。
食事の基本は、○1日3食をきちんと食べること。○朝食・昼食をしっかり食べ夕食を軽く。○何をどれだけ、いつどのように食べるか。○食事は主食+主菜+副菜+副菜を基本に。○いろいろな食品をバランスよくです。
毎日の生活・食習慣が健康を左右します。今が健康でも不規則な生活を続けていると必ずさまざまな症状が出てきます。症状が出る前に生活を見直してみましょう。「健康三彩」は主菜+副菜+副菜のバランスがとれた理想的な食事です。ぜひ召し上がってください。


春:お酒

みなさんこんにちは!前回に続いて「お酒」のお話しです。お酒の種類や適量を理解していただけましたでしょうか?昔から「酒は百薬の長」と言われ、虚血性心疾患のリスクを低くするとかHDLコレステロールを増加させる等の効果があると言われています。しかしだからと言って、いくら飲んでも良いと言うものではありませんね。人にはそれぞれ適量があります。適量を超えた長期にわたるアルコール摂取は、脂肪肝、肝硬変、その他膵炎、食道がんなどのリスクを高め、さまざまな疾患の原因となる可能性が高まります。皆さんには、ぜひ正しい飲み方を理解してお酒を楽しむコツを覚えてほしいと思います。
○エネルギー量を考えながら、おつまみはバランス良く選びましょう。
刺身・焼き魚・だし巻き卵・枝豆・湯豆腐・チーズなど蛋白質を多く含むメニュー。野菜サラダ・野菜スティック・野菜炒め・お浸しなどビタミンやミネラルを多く含むメニュー。フライドポテト・から揚げなど油を多く使ったおつまみはカロリーも高く、肥満や脂質異常症のリスクが高まるので控えましょう。
○飲酒の前に、胃に食べ物を入れておきましょう。
胃が空っぽの状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収が早くなります。チーズ一切れ、枝豆1さやでも食べておくと胃への負担が減り、酔いも軽減されます。
○ストレスをお酒で解消するのはやめましょう。
男性のストレス解消法の第1位にあげられています。「やけ酒」はアルコールによるエネルギー摂取をいたずらに増やします。適量を楽しく飲む習慣をこころがけましょう。
○1週間に1~2日は、休肝日を!
肝臓への負担を軽減し、脂肪肝や肝炎になるリスクを低くするために、休肝日を作りましょう。ただし、休ませたからといって他の日の大量飲酒はダメですよ!ノンアルコールビールやビアティストドリンクなども活用することをお勧めします。
○楽しい雰囲気で飲みましょう。
○時間をかけ、食べながら飲みましょう。
○アルコール度の強いお酒は、ごく少量か薄めて飲みましょう。
○体調が悪いときは特に気をつけて飲みましょう。
○お酒の無理強いはしないようにしましょう。


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